あぁ…あたし、本当に大好きなんだな…浩ちゃんのことが…。
改めてそう想った時だった。
「…イヤなら、俺…待つからさ…。奈津が…いいって想うまで…俺…ずっと待つから」
浩ちゃんがそう言ってあたしから離れようとした。
その腕を
「待って…」
俯いたまま、ギュッと掴んだ。
「奈津…?」
「イヤじゃ…ないよ…」
ドキドキが凄すぎて、口から心臓が飛び出してくるかもしれないって想った。
「奈津…」
「イヤじゃ…ない」
あたしはそう言うと浩ちゃんから手を放してバックからケータイを取り出すと、少し震える指でボタンを押してお母さんにメールを送った。
『きょう、由紀の家に泊まるね』
と…初めての嘘のメールを送った。


