「奈津、お前…メッチャ可愛いなぁ」
マジマジとあたしの真っ赤になった顔を見てそう言った浩ちゃん。
突然立ち上がるとあたしの手を取りスタスタと歩き出した。
連れて行かれた場所は観覧車。
下がスケルトンになっていて恐怖心はハンパない。
「ホントに乗るの?」
「当たり前だ」
またも無理やり乗せられて、あたしは透けた床がなんだから怖くて上ばかりを眺めた。
「俺さぁ、ありがちだけど、こんな風に奈津と2人で遊びたかったんだ」
不意に真面目な顔で言われてあたしの鼓動が波を打つ。
「ずっと、お前と2人で同じ時間を過ごしたかった」
真面目な顔の浩ちゃんはズルイ。
そんな顔されたら、あたしはドンドン浩ちゃんを好きになる。
誰もいない2人だけの空の上。
浩ちゃんの優しいキスに瞼を閉じた。