あたしのハートはキミのもの


好きな人と何かをする。


それはどんなことでも特別だと知った。


2人で道を歩くことや、切符を買って電車に乗ること。


目的地の駅までの時間や、揺れる電車の中で支えてくれる手のぬくもりも、何もかも特別なもの。



「もうすぐしたら着くぞ」と、あたしの肩を支えながら微笑んだ浩ちゃん。



守られていると胸がキュンとなった。



よく考えてみれば、初めてかもしれない。こういうデートらしいデート。



彰くんと付き合っていた時は、こんな風に電車に乗って2人でどこかに行くなんてなかった。



会うのは近くの公園か、コンビニで買い物して彰くんの部屋でDVDを観る。


それだけでも楽しかったけど、どちらかというアッサリしていた彰くんとの時間にどこか物足りなさを感じていたんだ。



ホントはもっと構ってほしいって、そう思っていた。