浩ちゃんと楽しく付き合う。
それが一番…だよね?
「そうだよ。恋ってさ、傷つき傷つけ合うものなんだよ。恋が成就して、誰も傷つかない恋なんてどこにもないんだからさ」
もっと幸せな顔しなよと、恵美があたしの両頬を両手で挟んで持ち上げた。
恵美は、美人でスタイルもよくて頭がイイ子で男の子に人気があるんだ。
そのせいか、今まで何度も女の子に嫌がらせを受けたらしい。
だけど、恵美は持ち前の気の強さで意地悪をしてきた女の子達をはねのけて好きな人と恋人になって幸せな恋を楽しんでる。
あたしも、恵美みたいに強くなりたいな…。
「う…ぅん…わかっ……から…」
ボミョボミョ言うと恵美は「よし!」と満足げに微笑んだ。
解放された両頬を手で撫でながら苦笑いすると、痛かった?と恵美が笑いながら聞いてきた。
教室の窓から爽やかな風が吹き込み、笑い合うあたし達の髪を撫でた。


