恋っていったいなんだろう?
誰かを想い、想われる。
たったそれだけのことなのに
たったそれだけのことが、どうして時に泣きたいぐらい胸を苦しめるの?
誰かを傷つけてしまうぐらい、誰かを好きになるのだろう?
三澤さんは、本気だったんだ。
浩ちゃんを本気で好きだったんだ。
あたしよりも、もっと、深く長く浩ちゃんのことを考え、浩ちゃんだけを見ていたんだ…。
三澤さんの気持ちを想うと、あたしが浩ちゃんの彼女でいいのか分からなくなった。
この日の授業は、何も頭の中に入ってこなくて、あたしはただ、三澤さんの今にも泣き出しそうな強がった横顔を眺めては、ため息ばかりこぼしていた。


