あたしの言葉を聞いた三澤さんは「うそ…」と苦痛な表情を見せると浩ちゃんに視線を移した。
その悲しげな表情に胸が痛んだ。
重い空気が教室に流れた時、授業が始まるチャイムが教室に鳴り響いた。
「授業始まるね」と誰かが言うと準備しなきゃと口々に呟きそれぞれの席にみんなが戻り始めたなか
三澤さんは、ゆっくりと浩ちゃんに近づいた。
「笹川先輩…本当なんですか?本当に綾咲さんと…?」
悲しげな表情を浮かべたまま浩ちゃんを見つめる三澤さん。
「本当だよ。奈津のことがずっと、好きだったんだ」
浩ちゃんは、三澤さんの瞳を真っ直ぐ見つめてそう告げた。
「そう…ですか。分かりました」
俯き、そう呟いた三澤さんは、一瞬あたしをキッと睨みつけた。
けど、その瞳は涙が今にもこぼれ落ちてしまいそうな悲しみの瞳。
三澤さんは、キュッと唇を噛み締めて何も言わず自分の席に腰を下ろした。


