ちなみに2人は、あたしと浩ちゃんが幼なじみだということを知っている。
友達に隠し事はしない主義のあたし。
友達にはなんでも話す。つもりだったのに、恋は時には友達にも隠し事をさせるみたいだ。
「ねぇ、きょう一緒に来たんでしょう?笹川先輩と」
目をキラキラさせて聞いてくる恵美。早く教えてよと急かす。
「そ、それはぁーー・・・」と由紀に助けを求めようと由紀に見たら「そうだよ。教えてよ」とこれまた興味深げな瞳。
あぁー・・・。どう言えばいい?
そう言葉に詰まっていたら教室の後ろのドアが開いた音が聴こえて、ふと視線を向けると
「あ、いた」
それは、あたしを見つけるなり満面の笑みで微笑む浩ちゃんの姿だった。


