それからの授業は、なんだか身が入らなくて・・・。
先生の言葉は、見事に右から左へと流れていった。
その後の昼休み。由紀ともう1人の仲良しの赤井恵美と一緒に教室でいつものように三人でお弁当を食べたけど
なんだかお弁当のおかずが喉を通らない・・・。
きっと、いろんな事が一気に起きたせいだ。
あたしは元々のんびりやで、のほほんとした毎日を過ごすのが好きなのに
彰くんや、浩ちゃん。おまけに石崎くんと由紀・・・。
なんでこんなにいっぱい問題発生してるの?
「はぁ・・・」ときょう何度目かのため息をこぼした時だった。
「どしたの?奈津。きょう、ため息ばっかじゃん」
そう聞いたのは恵美だった。
「ううん。なんでもない」
そう答えてみたものの・・・「嘘だ。なにかあったでしょう?」正直に言いなよと身を乗り出して言われた。
元々勘が働く恵美。それに、由紀も何か気になっているような瞳を向けていた。
このまま何もなかったと誤魔化すのは無理だと悟った。
けど、だからといって石崎くんのことは言えない。
あたしは、他の人には聞こえないように2人にコソコソ話で石崎くんの話を除いた事の成り行きを話した。


