その言葉に、由紀はどこか納得のいかない様子の表情を浮かべたけど「そっかぁ」と言ったきり、それ以上のことは聞かなかった。
程なくして鳴り響いたチャイムの音に、慌てて教室へと急いだあたし達。
教室には、まだ先生が来ていなかったようで、あたし達はホッと胸を撫で下ろして、それぞれの席に着いた。
先生が来たのは、それからすぐの事で・・・。
先生が出席をとっている最中、誰かの視線を感じて振り向くと窓側のあたしの席と離れた廊下側の席に座ってる石崎くんが、何か言いたげな表情であたしを見ていた。
そんな瞳で見ないでよと、あたしはその視線から逃げるように窓のほうに視線を逸らした。
窓から見える景色は、雲ひとつない綺麗な空が広がっているのに
あたしの心は、ドンヨリと重たい雲がかかったみたいで「はぁ・・・」とため息がこぼれ落ちた。


