あたしのハートはキミのもの


 「とにかく・・・困るの・・・」


 「なんでだよ?別にいいだろう?俺がお前の事を好きでも」

 ハッキリとまた好きだと言われてしまった。


 「俺の事が嫌いなのか?」

 「いや、そうじゃなくて・・・」


 「じゃあ、やっぱりあの先輩と付き合っているのか?幼馴染だよな?あの先輩」

 知ってたんだ。石崎くん。あたしと浩ちゃんが幼馴染だって・・・。

 仲良かった友達にしか言ってなかったから、石崎くんが知っていたことに正直驚いた。


 「そうなんだろう」


 そう聞かれて否定した。じゃぁ、なんでだよと聞かれたけど、その理由を言うには抵抗があった。


 だって、それは・・・・。



 「奈津!!」


 突然名前を呼ばれて振り返ると、額に汗を滲ませてあたしと、石崎くんを複雑な表情で、見ている女の子。



 「由紀!」



 ヤバイ。もしかして、変に思われたかな?

 そう思った。だって、由紀は、あたしの中学からの大切な友達で、そして石崎くんのことがずっと好きな女の子なのだから・・・。