「はぁ・・・」
思わずこぼれたため息。あたしの態度が気に入らないのか、三澤さんは「聞いているの?」と怖い顔で見てきた。
うう。怖いなぁ・・・。
「どうしてか、教えなさいよ」
ジワリジワリと詰め寄る三澤さん。他の5人の三澤さんの仲間も、ジワリとあたしを追い詰める。
教えなさいよと言われても「実は付き合えって言われてます」なんて言える筈もなく。
だからといって「幼馴染です」も、なんか言いにくい。
それは、中学の時、あたしが浩ちゃんの幼馴染だと知った先輩がやけにあたしに近づいてきて。
自分と浩ちゃんが付き合えるように協力してと、しつこく付きまとわれた苦い経験から、浩ちゃんと幼馴染だという事は誰にも言わないようにしようと決めたからだったんだけど・・・。
三澤さんも、その先輩と同じ・・・ううん。その先輩以上にしつこそうだから、やっぱり言わないほうが懸命よね?
なら、どう言えばいいんだろう?
困り果てていた時だった。
「なにやってんの?お前達」
そう声をかけてきたのは、同じクラスで、小学校から同じ学校に通ってる腐れ縁的存在の石崎壮太だった


