「疲れた・・・」
下駄箱でようやく解放されたあたし。
重い足取りで教室のドアを開けると
「ちょっと!!来て!!」
突然腕を掴まれ、引っ張られると教室を離れて人気のない階段の踊り場に連れて行かれた。
「な、なに!?」と戸惑っているあたしを「あんた、どうなってるのよ!?」と数人のクラスメートの女の子達から囲んだ。
「え?な、なにが!?」
突然の出来事に瞳をキョロキョロさせているあたしに「どうして笹川先輩と一緒に学校来てるよ!?」と怖い顔をして詰め寄って来たのは、1年の中で一番可愛いと評判の三澤真由。
ちなみに、あたしは彼女が苦手。
それは男の子と女の子と前とでは態度が余りにも違いすぎるからだ。
それに、彼女は自分が好きな男の子は、どんなことをしても自分を好きにさせて付き合うようにすると聞いた事がある。
その三澤さんが、あたしに浩ちゃんのことを聞いてくるということは・・・。
「笹川先輩は、あたしが狙ってたのよ。横からでしゃばらないでよね」
やっぱり・・・。浩ちゃんが好きなんだ・・・。
そう思った瞬間。ドッと全身が疲れて重くなった。


