「お前さぁ…なにこんな公然の場で泣いてんの?」 恥ずかしすぎだってのと言う、その視線と口調には優しさの欠片も微塵もない。 「別にいいじゃん。放っておいてよ」 ズズッと油断したら垂れてきそうな鼻水を一気に啜って無視を決め込んで前に進んだ。 「おい!待てよ!」 浩ちゃんの言葉を無視して、追ってくんなと背中で訴えるように背筋をピンと伸ばして握り拳を左右に振って大股で早歩き。 こんな時に浩ちゃんに会うなんて…今日はなんでこんなについてないの!?