「ゆーやちゃん、なんでここに?」 「あたしはね、そこの壁で一人でキャッチボールしてるんだ!!」 ゆーやちゃんの指差した先には、白い円が書かれていて、中心付近はボコボコになっていた。 「一人でキャッチボール?チームに入らないの?」 兄ちゃんが最近行き始めた、地域の野球チーム。 そこにゆーやちゃんも入ればいいのに。 「ううん。やまとくんこそ、お兄ちゃんのチームに入らないの?」 「うん。僕、あんまり野球のことよく知らないし」 それに、野球よりはサッカーの方が好きだしな…。