街までおりる道は一本。
こっから走れば天音に追い付く計算だ。

何故なら天音はツメが甘い。
今頃、城を脱け出せた達成感で油断しまくっているだろう。



「捕まえたぞ!」


「きゃー!」


…………ねぇー天音ー。アンタはバカですか?

何早速ヤバい集団に捕まっちゃってんのさ!


「大人しくしろ!さぁ、賢者はどこだ?
騎士もいるんだろう?」


「離してよ!知らないんだからー!もう、なんなのー!」


「ちょっとー、なーにしちゃってくれてるんすかー?
一般人の可愛い女の子に、乱暴はダメですよー」


「誰だキサマ!?」

「ヨルちゃん!?」



見たところ山賊的な……盗賊的な?

ただ、結構少数で、五人しか居ない。

まぁ、何故か皆さん妙にイケメン。本当にこの世界なんなんだよー。


「………『ヨル』?つったら、賢者の名前じゃなかったか?」

「なるほど…自ら来てくれたわけだ?」

「手間が省けたな。ハハッ」


バカ。天音のバカ。

省いたつもりは毛頭ありません。