「おい、勇人。そのくらいで止めとけって」
竜に制止され、ようやく手を止めた時には、息は切れ切れで、
相手の男達は逃げる様に走って行った。
「あの・・・ありがとう・・・ございました」
呆然と見ていた女の子が、恐る恐る近づいてくる。
どっちが怖かっただろうな。
「ああ、別にいいよ。それよりさ、あんたみたいな女の子が、この辺うろついてちゃダメだよ」
「はい・・・」
恥ずかしそうに胸に手を当てて、俯いている。
破けてるな、服・・・。
「ほら、これ。無いよりマシだろ?」
オレは、自分が着ていた黒いシャツを投げた。
と言っても、別にそのまま着ていたわけじゃないよ。
あくまで、上着代わりに来ていたものだけどね。

