いつもなら、大音量の音楽が鳴るこの車も、今日は美優仕様で控えめだ。

「ねえ、勇人の家って、お金持ちなの?」


「えっ!?」


家の話しをされると、ドキッとするんだよな。


「何で?」


「だって、こんな高級車に乗ってるんだもん」


やっぱり、不自然だよな~。


でも、これしかないんだよ…。


親父が乗ってるのも同じだし、母さん専用の車は、赤色のいかにも“女の車“って感じで、ダサイしな。


「いや…。たまたまだよ」