美優に案内されて着いた場所は、小さなアパートの前だった。 二階建てだが、茶色の外観で今風の建物。 思ったより、いいとこ住んでんじゃん。 「誰か親戚とかと、住んでるのか?」 「ううん。一人暮らし。親戚はいないし、一応、両親の遺産と、私のバイトで生きていけるんだ」 「そうなのか…」 苦労してるんだな…。 「じゃあ、勇人さん、竜さん。ありがとうございました!気をつけて。お休みなさい」 笑顔で降りる美優を見て、オレはたまらず言ってしまった。