振り向くと、そこには昨日助けた女が立っていた。


え~と、え~と。


名前なんだっけ?


「あっ、美優じゃん」


そうそう!!


美優だよ。美優。


竜が言わなかったら、絶対に思い出せてないな。


「やっぱり、勇人さんと竜さんだった。良かった。もう一度会えて」


美優は嬉しそうな顔で、オレたちを見上げた。


「どうしたの?」


竜は愛想良く、美優に話かける。


こういう所は竜の親父さん、竜二さんにそっくりだ。


「もう一度、お礼が言いたくて。昨日、慌てて帰ったから」


「ああ、そんな事なら別にいいのに。それよりも、大丈夫だった?」