「きゃ~っ」 両手を縛られているから思うように動けず、激しい殴り合いの中で、私はただ小さくなっていた。 いや~!! 思いっきり、人が倒れていくんだけど・・・。 よくよく見ると、勇人と竜さんは、本当にケンカが強い。 普通なら不利な人数なのに、まるで楽勝だ。 「美優!」 一瞬の隙をついて、勇人は私の側に来て、近くにあった果物ナイフでロープを切ってくれた。 何で、こんな所にナイフがあるのよ・・・。 もう、何が何だか分からず、あまりの衝撃的な光景に、すっかり腰が抜けてしまった。