言えない秘密~ヤクザが愛する女~




やっと外れた~。


深呼吸をし、息を整える。


それより、勇人がここに来ちゃ危ないんじゃないの?


さっきまでの恐怖心が自然と無くなり、だんだんと怒りが込み上げてきた。


どうせ、思い残すことは何もないんだし・・・。


両親は死に、勇人には振られ・・・。


よくよく考えたら、私の人生は「ヤクザ」のせいで狂いっぱなしよ。


そんな事を考えていたら、肝がすわってきた。


「おあいにく様。私は、勇人の婚約者じゃないのよ」


出来るだけなめられない様にと、強がって言ってみる。


すると、それを聞いていた男たちは、大声をあげて笑った。


「そんな誤魔化しが通用するかよ。あんたが勇人と一緒に居る所は、ちゃんと確認済なんだよ」


だから、それが違うんだってば。


この人たち、こんなんで本当に大丈夫なんだろうか・・・。


「違うと思うなら、思えばいいわよ。私は、その実和さんて人じゃないから、どんなにおびき寄せても、勇人は来ないわよ」


そう言うと、リーダー格の男の表情が、少し引きつった。


「本当か?嘘言ってるんなら、本気でお前の命はないぞ?」