あまりにも自然過ぎて、一瞬何が起こったのかが分からなかった。


「お前、実和だよな?」

え?


実和?


誰よそれ。


「勇人の婚約者だよな?」


「えっ!?」


まさか、私、勇人の婚約者と間違われてるの?


「冗談じゃないわよ!私は美優。勇人の婚約者じゃない!」


よりにもよって、勇人の婚約者に間違われるなんて。


本当、ムカつく。


無視して歩き始めた時、いきなり後ろから口を塞がれた。