「じゃあ、私はそろそろ帰ります」 二人の時間を邪魔するのもいけないし、まだ人前で笑う気力がないのも事実だから。 「美優、本当に見送らなくていいの?」 病室で佐絵が心配そうに見ている。 「大丈夫よ。夜じゃないんだし」 「本当に気をつけろよ?まだ、何もされないとは決まってないんだから」 先輩も心配そうにそう言ってくれた。 「ありがとうございます。安心してください。それじゃ」 病室を飛び出し、病院から出た直後、誰かに呼び止められた。