「お、おい」 慌てて実和を離すと、少しふて腐れた顔でオレを見ていた。 「いいじゃん。キスくらい・・・」 「良くねえよ。言ったろ?オレはお前が好きじゃないの」 と言って、ハッとした。 な、何で泣いてるんだよ。 実和は唇を噛み締めて、涙をこぼしている。 「ご、ごめん。言い過ぎたよ」 さすがに「好きじゃない」ってのは、失礼だったよな。