ぎこちなく笑う美優は、美人と言うよりは、可愛い感じの女の子だ。 栗色のセミロングのストレートに、二重のクリッとした目。 小柄な体型は、好きな奴は好きだろうな。 「じゃあ、気をつけなよ」 「はい…」 走り去る美優を見ながら、一気に気が抜けていった。 「竜、帰ろうぜ」 「そうだな」 この時のオレは、正直、美優を助けた事なんて、どうでも良かった。 それよりも、自分の威厳を保ちたいだけだったんだ…。