あのクソ親父~! オレが部屋を出て行こうとすると、実和が走ってきて、後ろから抱き着いてきた。 「何すんだよ!」 「いいんじゃん。どうせ、婚約しなきゃいけないんだから。諦めて仲良くしよ」 「はあ?」 何で、オレが好きでもない奴と婚約なんか…。 「私さ、本当は好きな人がいたの。その人を諦めたんだから」 「え?」 オレはその言葉に食いついた。