「親父、何言ってんだよ」 オレが睨みつけると、親父は冷たく横目で見た。 「婚約者。分かったな?」 分かるかよ~!! 「オレは、絶対に婚約なんてしないからな」 今さっき、美優の温もりを感じたばかりで、他の女なんかどうでもいい。 「反抗したって無駄よ」 実和はそれだけ言うと、家の奥へと消えて行った。