お嬢様、お手をどうぞ

美森の言う通りだと思った。
いっつもふわふわ真っ白な証明に似合うのは、ふわふわ真っ白な鳥みたいな羽根だ。
天使だと言われれば、まさに天使だ。


「でもね、今日の恰好はお姉様が全部プロデュースして下さったんだよ」


「え?証明、姉さんがいるんだ」


それは初耳だった。


「うん、居るよ。お姉様が、ひとり。大好きなんだぁ」


「美人か?」


美森ががっつく。


「とても美しいよ」


美しい、なんて言ったことがない単語がさらりと証明の口から出てきてちょっぴり驚いた。
周りから聞くこともテレビ以外では無い。


「そうか〜…キレェなのか…うへへ」


美森は肉食獣からアブナイヒトに変化した。


門が開き、証明は僕たちを中へと案内する。