翌日。
つまり、誕生日。
運良く土曜に重なっているので学校は休み。
…と、本当は嬉しい日の筈なのに…。
―…気が重い。
あんな話、現実的では無いのだから信じなければいいのだが…。
あの話をした後、丁度いいタイミングで証明が教室に帰ってきたのだ。
魔女が居るのか?なんて直に訊く訳にはいかないし(正解でも不正解でも、どちらにしてもいい反応が返ってきそうに無いからだ)当たり障りのないところを尋ねてみた。
「証明、お前んち建物に囲まれた中庭なんてのがあるのか?」
美森は余計なことを喋ってしまいそうなので、黙っておけと釘をさして横に座らせておいてある。
「うん、あるよ。ただ、陽が当たる時間が短いから前庭にあるような花は育たないんだよ…ちょっと勿体ないよね」
証明…コイツはちょっとぽややんとした奴だ。
前に出て来るような美森とは正反対。
制服もないようなこんな公立小学校に毎日ネクタイを締めて、真っ白のベストを着て(本当に真っ白で、毎日新品に換えてるんじゃ無いかって疑っている)糊のきいたきっといい生地の短パンに、これまた真っ白の靴下…とまぁ、見た目からしても周りに居るヤツとはひと味違う。
…まぁそもそも、公立に来る時点でどこか変わってるか。
「前庭にあるお花は、ぼくの好きなお花が沢山あるんだよー。だから、中庭でも見れるようにしてあげたかったのになぁ」
…ん?
今、なんて?
ぷはっ。
隣から勢いよく息を吐き出す音が聞こえた。
…しまった。
「じゃあさ!その中庭にひとつだけ離れがあるってのはマジか?」
ずいっ。
美森が僕の机から証明の方へと思いきり乗り出している。
余計なこと言うなよ…?
「うん、えっと、マジだよ」
普段使い慣れて無い「マジ」の所を強調して証明は答えた。
「でもねえ、離れって言っても廊下が一本繋がってるの。だから、実際に旅館とかにある離れみたいなのとは違うかな」
「じゃあ…、じゃあ!その部屋に」
キーン
コーン…
美森による失言は次の時間のチャイムによって阻止された。
つまり、誕生日。
運良く土曜に重なっているので学校は休み。
…と、本当は嬉しい日の筈なのに…。
―…気が重い。
あんな話、現実的では無いのだから信じなければいいのだが…。
あの話をした後、丁度いいタイミングで証明が教室に帰ってきたのだ。
魔女が居るのか?なんて直に訊く訳にはいかないし(正解でも不正解でも、どちらにしてもいい反応が返ってきそうに無いからだ)当たり障りのないところを尋ねてみた。
「証明、お前んち建物に囲まれた中庭なんてのがあるのか?」
美森は余計なことを喋ってしまいそうなので、黙っておけと釘をさして横に座らせておいてある。
「うん、あるよ。ただ、陽が当たる時間が短いから前庭にあるような花は育たないんだよ…ちょっと勿体ないよね」
証明…コイツはちょっとぽややんとした奴だ。
前に出て来るような美森とは正反対。
制服もないようなこんな公立小学校に毎日ネクタイを締めて、真っ白のベストを着て(本当に真っ白で、毎日新品に換えてるんじゃ無いかって疑っている)糊のきいたきっといい生地の短パンに、これまた真っ白の靴下…とまぁ、見た目からしても周りに居るヤツとはひと味違う。
…まぁそもそも、公立に来る時点でどこか変わってるか。
「前庭にあるお花は、ぼくの好きなお花が沢山あるんだよー。だから、中庭でも見れるようにしてあげたかったのになぁ」
…ん?
今、なんて?
ぷはっ。
隣から勢いよく息を吐き出す音が聞こえた。
…しまった。
「じゃあさ!その中庭にひとつだけ離れがあるってのはマジか?」
ずいっ。
美森が僕の机から証明の方へと思いきり乗り出している。
余計なこと言うなよ…?
「うん、えっと、マジだよ」
普段使い慣れて無い「マジ」の所を強調して証明は答えた。
「でもねえ、離れって言っても廊下が一本繋がってるの。だから、実際に旅館とかにある離れみたいなのとは違うかな」
「じゃあ…、じゃあ!その部屋に」
キーン
コーン…
美森による失言は次の時間のチャイムによって阻止された。
