そんな『傍観視の自分』の存在を否定したいが為に、更に子供らしさを意識して振る舞ってしまう。
「馬ッ鹿、仲間はずれじゃねえよ。ってか仲間はずれとかはどうでもよくてさ…お前、聞いたことねぇ?あいつんちの噂」
証明の家。
あいつの母親は有名な美容家で、エステ経営やら化粧品のプロデュースやらで相当な金持ちだ。
証明がこの学校に転校してきてから、まだ誰も行ったことが無い。
この学校の中では、僕たちが最初の客になるのだろう。
「城みたいにでっかくて、中も鎧とかでっかい絵画とか長いテーブルとかダンスホールがあって本当の城になってるってやつか」
確かにデカいが、ダンスホールは無いだろう。
「あぁ…それもあるが、もっとおっかねえ噂」
おっかない?
「何それ」
僕が訊き返すと、美森は得意げに『ふふん』と笑ってからそのおっかない噂というのを話し出した。
「ほら、あいつん家は大体どこから見てもどの面も見えるけどよ、唯一外からじゃ見えない建物があるんだよ」
4面全ては道路から見られる。高さは…7階か8階ぐらいだろうか。
広くて手入れされた庭には、サンルームっていうのがあるらしい。
外から変な建物が見えるから、証明自身に聞いたら教えてくれた。珍しい鳥とか、植物とかがあの中には入ってるそうだ。
その他になにかあるのだろうか。
「中庭に、離れみたいのがあるらしい」
「中庭?あんな高い建物の中に離れなんて造っても、陽当たりが悪くて使えないんじゃ」
おう、美森は真剣な顔をして頷くと話を続けた。
「普通の人間は、な。使わないよ」
普通の人間?
何だか嫌な言い方だな。
「そこに普通じゃないものが居るっていうのかよ」
「あぁ、居るんだ」
まさか。
そういう答えが返ってくるとは思わなかったが…。
他に聞いている人は居ないかと周りを見回してから、更に近付いて小さな声で美森はこう言った。
「その離れには、魔女が潜んでいるそうなんだ」
「馬ッ鹿、仲間はずれじゃねえよ。ってか仲間はずれとかはどうでもよくてさ…お前、聞いたことねぇ?あいつんちの噂」
証明の家。
あいつの母親は有名な美容家で、エステ経営やら化粧品のプロデュースやらで相当な金持ちだ。
証明がこの学校に転校してきてから、まだ誰も行ったことが無い。
この学校の中では、僕たちが最初の客になるのだろう。
「城みたいにでっかくて、中も鎧とかでっかい絵画とか長いテーブルとかダンスホールがあって本当の城になってるってやつか」
確かにデカいが、ダンスホールは無いだろう。
「あぁ…それもあるが、もっとおっかねえ噂」
おっかない?
「何それ」
僕が訊き返すと、美森は得意げに『ふふん』と笑ってからそのおっかない噂というのを話し出した。
「ほら、あいつん家は大体どこから見てもどの面も見えるけどよ、唯一外からじゃ見えない建物があるんだよ」
4面全ては道路から見られる。高さは…7階か8階ぐらいだろうか。
広くて手入れされた庭には、サンルームっていうのがあるらしい。
外から変な建物が見えるから、証明自身に聞いたら教えてくれた。珍しい鳥とか、植物とかがあの中には入ってるそうだ。
その他になにかあるのだろうか。
「中庭に、離れみたいのがあるらしい」
「中庭?あんな高い建物の中に離れなんて造っても、陽当たりが悪くて使えないんじゃ」
おう、美森は真剣な顔をして頷くと話を続けた。
「普通の人間は、な。使わないよ」
普通の人間?
何だか嫌な言い方だな。
「そこに普通じゃないものが居るっていうのかよ」
「あぁ、居るんだ」
まさか。
そういう答えが返ってくるとは思わなかったが…。
他に聞いている人は居ないかと周りを見回してから、更に近付いて小さな声で美森はこう言った。
「その離れには、魔女が潜んでいるそうなんだ」
