『いくぅ~!!どこにいっちゃったの~?!』
6歳で幼かったあたしは
郁(いく)と森の中でかくれんぼをしていてあたしは気づくと森の中で一人ぼっちになっていた。
『い゛ぐぅ~どこ~!』
しまいには泣いてしまう始末...(;_;)
あたしは森の中を走り泣きながら郁を
必死に探した。
すると、
ガサガサ、、、
あたしの後ろから草をかきわける
音が聞こえた。
『いく??』
あたしはおそるおそるその
草音のする方へと向かった。
「樹梨(じゅり)か?」
草むらから顔を出したのは
郁だった。
『い゛ぐ~!』
そしてあたしは郁に泣き飛び抱きついた。
「うぉ!ごめんね?もう大丈夫だよ。」
そう言いながら郁はあたしの頭を
よしよしと優しく撫でた。
「樹梨?もう暗くなってきたから帰ろうか?」
『うん!』
あたしと郁は手を繋ぎながら仲良く帰って行った。
帰ってる途中隣で郁がクスクスと笑い出した。
『郁?どうしたの?』
「イヤ。僕達が初めてあった時もこんな感じだったな~って思い出すとおかしくて。」
『そうだったっけ?』
どうも記憶がない...。
「まあ。無理もないよ樹梨が今よりもっと小さい頃だったからね」
『ふぅ~ん。』
「その頃は僕の事、すごく警戒していたけどね。」
『えっ?そうなの?』
「そりゃもう凄かったよ樹梨が迷子になっていた所を僕が見つけたんだ。なのに樹梨ったら第一声に何言ったと思う?」
『わからない。』
「樹梨は迷子じゃないから知らない人にはちゅいていきまちぇん!なんて言ったんだよ?本当。ここまで手慣れさすのにどれだけ時間がかかった事やら」
『そうだったの?でも今はちゃんと郁の事大好きだよ』
「俺も樹梨の事妹みたいな子ができて嬉しいよ」
妹...。
当時の自分はそれだけで
十分よかった。嬉しかった。
でも今は―――――。