「キカイ」の子

「………頑張るよ。…フユピコ、夏美。


お前らの生きられなかった、この時を……俺は頑張って生きていくよ……









よ~く、見とけっ!」





透はそう言って、良く晴れた青い空を指差した。










「そんでさ…俺が死んで、そっちに行ったら…また…馬鹿話…一杯…しようぜ?」















「透~そろそろ帰らないと…」



「ああ!今、行く!」







遠くから茜の呼ぶ声が聞こえ、透は急いで走って行った。

















透がいなくなった後、無人の墓地に、一際強い風が吹いた。















春一番。













春の訪れを知らせる風。
















そうやって、これからも季節は回る、時は流れる。
















その中を、透は生きて行く。
























この透き通った空に誓ったように…。