「キカイ」の子

「冬彦……」







病院からの帰り道、透は隣で意気消沈している冬彦に声を掛けた。







しかし、どう続ければいいか分からず、黙って冬彦を見つめるしかなかった。









冬彦は透を気にもとめず、自分の世界に入り込んでいた。









数分間、二人は黙ったまま道を歩いていた。








そうしていると、二人は別れ道に差し掛かった。









冬彦は何も言わずに透から離れていこうとした。










「……冬彦!」









離れていく冬彦の背中に透が声を掛けると、冬彦は立ち止まって、ゆっくりと振り返った。











「………元気…出せよ…」








透の言葉が冬彦の耳に届いたかどうかは、冬彦が直ぐに向き直したため、分からなかった。








またしても、透は冬彦の背を黙って見ているしかできなかった。