「キカイ」の子

「冬彦?大丈夫?」




「えっ?あ、ごめん。考え事しちゃった。」





冬彦は夏美の心配を取り除こうと明るい声を出した。






「考え事?いったいどんな?」



「え?…えぇっと…」



冬彦はこの疑問を夏美にぶつけるのは気が引けたが、彼女がきれいな目で彼を見つめ、ジッと待っているので、観念したように話し出した。







「夏美は…勉強…って…どう…思う?」







「勉強?う~ん、そうね…」






夏美は、ベッドの上で細い腕を組み、しばらくの間考えた後、明るい声で冬彦に話し掛けた。







「しないよりは…した方が良いんじゃない?」






「じゃあ…勉強が得意じゃないのは不幸だと思う?」







「う~ん…そうは思わないなぁ…だって勉強だけが、幸せに生きる手段ってわけじゃないし…勉強だけじゃ、どうやったって幸せにはなれないもん。」







「どういうこと?」








冬彦が間髪入れず尋ねると、夏美は目を瞑って考え出した。









それから数分後に、夏美は目を開けて、ゆっくりと話し始めた。