もう1度その声を



「なぁ、永瀬って、どんだけ優真のこと好きなわけ?」


「は?!あっ、えっと。べっ、別に」





アタシにとって優真はいなくちゃいけない存在。

だから、アタシは前の世界でアタシじゃなくなった。

それくらいに、欠けたら痛い。


でも、それだけの存在がいつまた欠けちゃうか分からない。




「おーい。なーがーせー」



「あっ!!ゴメンなさい。考え事しちゃってて」



「俺のせい?」


「なっ、なんでですか?」



やたらに近づいてくる古沢先輩。

好きなわけじゃないけど、これだけ近づいてくるしイケメンだから、ドキドキしないほうがおかしい。




「なんか、あったわけ?」



「なんで、そこまでアタシにかまうんですか?」