「樹里亜、びっくりした?」
母が尋ねる。

「うん。こんなところに人住めるの?汚いよ、すっごく。」
私は心底がっかりした。

でも、前から隣の空き家は
汚いなって思ってた。
まさかここまでとは
知らなかったけど。


「こーんな汚い家に住むなんて、もしかしたら隣の男の子変な子かもよ。」
母はにやっとした。
時々母は意地悪な事をいう。


その言葉を聞いた私は
怖くなってきて、
泣きべそかきながら
家に帰った。