「なになにっ?!
あんたまさか生徒会長に惚れた?!」
「………っ、」
「はっ!図星?!
え?え?え?!
でも、みお一目惚れとかする
タイプじゃなかったよね?!
ていうか、あーゆう真面目キャラ
嫌いなのかと思ってたし!
しかも前の彼氏と別れたばっかじゃん!
直也くんだっけ?
いくらフられたからって次の男見つけんの早過ぎない?!
まあ、それは別にいいとしても
まさか!まさか…ねえ?
実はうそでしょ、
え?どこ?
どこがいいの?」
一気にまくし立てる梨玖に驚きながら私は「いや、なんかこう、ビビッときた」と、なんとも間抜けな返事を返した。
「ビビッと…ねぇ」
梨玖はククッと気味悪く笑った。
「りくめー!何ニヤニヤしてるんだよっ」
「だってあーゆうのって、りくの好きなタイプじゃないでしょー!それが『ビビッと』なんて言うもんだから、あたし可笑しくて」
「むー、」
でも梨玖の言う通りだった。
確かに私は一目惚れするタイプじゃない
確かにああゆう真面目系は嫌いだし
確かに全く好きなタイプじゃない
確かに直也の事も忘れてない
まだちょっと好きだったりする。
なのになんでだろうね
自分でもわかんないっ
「あっ、じゃあ立候補とかしなきゃいけないんじゃないの?」
相変わらずさっきのニヤニヤを保ったままの梨玖
「あ、たしかに!」
「細山に聞きに行こっか。」
「おらー、お前ら席着けー!」
と、まるで会話を聞いてたかのようなタイミングで細山が教室に入って来た。
「ナイスタイミング細山っ!」
