「なぁに、ぼ~っとしてんのよ?」


美華は綺麗な顔をわたしにぐっと近づけて、わたしのほっぺをムニと掴む。


「い…いひゃいでふ~!」


「やーらかぁい♪白羽のほっぺ赤ちゃんみたいだよね~」


ムニムニ掴んで美華は明らかにわたしで遊んでる……。


美華は小さな頃から一緒の幼なじみで、
わたし達のママとパパは親友同士。


ママによく似た美華はサバサバとしてスタイルのいい美人だ。


面倒見がよくて、わたしは美華に頭が上がらなかったり……。



「……で?いったい何なの?」


―――きたっ!!


「な…、なにが…っ?」


わたしは斜め上に視線をそらし、明らかに挙動不審にそわそわ揺れる…。


「白ちゃん…?美華お姉さまにごまかせると思ってんの?」


「………!」


みかりんは同い年です……。


でも…!にっこり笑顔の美華が怖い……!!


それでも何とか踏ん張って……


ま、負けないぞ…っ!


だけど、美華は余裕の笑顔で口を開いた。


「じゃあ~…、小2の時のステキなエピソードをひとつ……」


「うやぁ~~ッ!?言うっ!言いますっ!ごめんなさい~っ!おねえさまぁ…っ!!」


わたしはあっさり折れて……美華の腕にすがり付いた。


「うふふ~♪素直が一番なのよ?白ちゃん♪」


お姉さまは美麗な笑顔で上機嫌に言った。