意味もなく…グッと手を握った。



誰かに……『練習がんばって』と言われて、あんなに嬉しかったことはなかった。



あんなに………心の籠ったそれを言われたこともなかった。



顔を真っ赤にして、ただそれだけを一生懸命に言ってくれた君が……愛しくて…ならなかった………。



あの一言には…大人しそうなあの子の勇気が、どのくらい入ってたんだろう………?



どうして………ただ一度、練習を見ただけの俺に…それをくれたんだろう………?



「………っ。」







自惚れたくなってしょうがない。



俺も……明日は勇気を出そう。





「あぁ……くそ……っ、すげぇ……好きだ……っ!」





明日は、間違いなく君に逢える。