―――咲夜の日記



〇月×日



今日、あの子の名前がわかった。

『藤間白羽』。

しろは…。真っ白でふわふわとした彼女にぴったりの名前だった。

茜が役に立つ日が来ようとは……。


しかも、それだけじゃなくて……

部活の終わりに彼女に逢えた…!

俺の勘違いでなかったら、目が、合った…!

ほんの一瞬。

でも何にも変えがたい一瞬。


あの子は俺の目を見つめてくれた。


俺に気付くと我に返ったように逃げて行ってしまったけど……。


小さくなる後ろ姿を最後まで見てた。

いつか…その隣にいられたら……いいのに。

反らすことなく見つめ合えたらいいのに。



君に恋をして

一瞬が宝物みたいに感じた日だった。