あっさり言ってくれるなぁ…。


「そんなの…っ!無理だよ…っ!堂々と見に行けたら…廊下でいいからすれ違いたいなんか思わないよぅ~っ」


再び机に突っ伏して、うわ~んと泣いた。


「超奥手ー…。あんたハル兄とうさちゃんの子でしょ~?」


美華は呆れた顔でそんな事を言う。


わたしはガバッと顔を上げて


「……パパとママは関係ないもん」


美華が言う《ハル兄》《うさちゃん》は、
藤間時春(トウマ トキハル)、雪兎(ユキト)というわたしの両親。


ケンカ知らずの万年ラブラブ夫婦……。


美華は自分の両親だって同じ年なのに…、兄と、ちゃんを譲らない…。


そんなみかりんの初恋は、うちのパパらしい……。


「白羽がハル兄似の男の子だったらなぁ~!あたしが幸せにしてあげんのにぃっ」


「…………」


残念な事にわたしは、どこもかしこもママにそっくりの女の子です。





そして、女の子のわたしは……


月城くんに逢いたいんです…………。


「……はぁー…」