通り雨だったのか…………雨はすぐにやんだ。
雲の隙間から青い空すらのぞいていて、まるで嘘のような雨……………。
だけどわたしは濡れ鼠なままで…………
恥ずかしさに顔から火でも吹きそうだし、どうしたらいいのかわからない。
出来ることならこの場から走って逃げてしまいたい………!
じわじわゆらぐ視界……………
ダメダメダメ………………!こんなとこで泣いたら咲夜くんに心配かける………っ
ぐっと唇を噛みしめて痛みでそれをごまかした。
涙が一粒…………瞳から離れてしまいそうな……………その時
「…………!?」
急に顎をとられて…………そのまま顔があがる。
目をぱちぱち何度も瞬いて、わたしの顎に手を添える咲夜くんと目が合った…………。
「…………そんなに強く噛んだら傷つく。
このままじゃ風邪ひくな…………。
……………だから、うちにおいで………?」
「……………え……?」


