「どこに行きたい?」
二人で手を繋いで並んで歩きながら、咲夜くんが優しい笑顔で聞いてくれた。
わたし、そんなことちっとも考えてなかった。
こうして歩いてるだけで十分過ぎるくらい幸せなんですが………。
「……………なんか……急に曇ってきたな………。」
わたしがモヤモヤと考えていたら、空を見上げた咲夜くんがポツリとつぶやいた。
それにつられるように空を見上げれば、さっきまで晴れ渡っていた空が薄暗い雲に覆われていた。
「ほんとだ………。天気予報は晴れだったのに………。」
変わりやすい6月の天気に思わず顔をしかめてしまう。
「取りあえず、どこか店に入ったほうが…………」
「…………あ!」
咲夜くんの言葉を待たずにどんどん暗くなる空から、ついにパラッと雨が………!
そして一気にまるでスコールみたいな土砂降りに…………!!
二人で走って公園の屋根のついたベンチまで避難したけど………………
二人でずぶ濡れになってしまいました……………………。


