【side咲夜】




真っ赤になった白羽が制服のスカートをぎゅっと握りしめて口を開く。



「………………あのね…………っ」



「…………ん…?」



あまりに可愛い仕草に、笑顔で相づちをうつ。



「………その……っ………わ、笑ったらいや………」



「…………っ!」



潤んだ黒い瞳で…上目遣いで見上げられて…………



堪らない気持ちになって思わず口元を手で覆う。



「…………笑わない。」



それでも内心の動揺をかくしながら答えた。



「………………咲夜くんと…………」



「…………俺?」



小さくつぶやかれた自分の名前にドキッとした。










だって



何かを考えていた時の君は



楽しそうで
幸せそうで



何をそんな顔して考えているんだと………



思わず…………嫉妬、したほどだったのに……………



だからつい、強引に聞き出してしまったのに……………










そんな白羽の世界にいたのが自分………?








…………君があんな顔して考えていたのは………








俺の、こと……………?