相変わらず前をずっと走っている海くん。
「はぁッ…早ツ…」
私の体力は底に来ていた。
運動しなさすぎ…
てか、最初から体育苦手なんだよねぇ……
「ついたッ…
あ…波っ…波流ちゃん!?」
「いますけどッ…はぁッ…」
私は息切れしている息を必死に整えながら上を見た。
海くんって背高いな―…
「ほらッ!
ボケッとしてないで早く行くぞ!?
…。てか走れる…??」
「走れッ…る…」
「ん。」
そう言うと、先にまた走り出してしまった。
「あ!
海くんッ……」
私は急に近道を思いだして呼び止めた。
「えっ?急にどうした?」
「こっち…
こっちの階段から行ったら近い…かも…??」
「あぁ!
そういえば他の奴等が言ってたな…
よし!行くぞ!」
私はふぅ…と一息着いて、走り出そうとすると、手が急に温かくなった。
「かっ…海くッ……」
「ほ…ほら!」
急に走り出した。
グイッと引っ張られ、少しこけそうになったけど、何とかついて行った。
しばらくすると、
私達の教室が見えてきた。
「ここだよなっ…!?」
「ケホッ…うんッ…」
ガラッと勢い良く開けると、
机に俯せるようにして、目にハンカチを当てて…
泣いているであろう優が居た。



