ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

「どこ行ったんだろ…」


辺りを見回しながら歩いていると、『櫻井』の文字がチラリと見えた。

足を止めて確かめる。

そこには『櫻井 絹江』の名前が書かれてあった。


「……」


中から微かに話し声が聞こえる。

あたしはゆっくりドアを開けてみた。

そして見えたのは、楽しそうに話す結平と…


「おばあちゃん…?」


仲のいい二人の姿を見て思った。

絹江という人は結平のおばあちゃんで、お見舞いに来ているんだと。

ということは、結平は元気なんだ。

ホッと胸をなで下ろす。