ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

次の日。

覚悟して行った学校では、『本当の黒沢チカ』という話題は流れることはなかった。


「黒沢さーん!」


放課後、帰ろうとしていると誰かに呼び止められた。

あの子だ。


「…何?」


その子は走って来たせいで、息を切らしている。

一体何を言い出すんだろう…

まさか脅してくるとか…

疑うような視線で、次の言葉を待つ。


「一緒に帰っていい?」


その予想外の言葉に、あたしは思わず首を縦に振ってしまった。