「ちゃんとオレの話聞いてたんだねー」

「聞こえたんです」


コンビニの前に座って話す。

結平は隣りでさっそく嬉しそうにリンゴを食べていた。


「でも、なんでくれるの?」

「お礼だよ。遅くなっちゃったけど…助けてくれたからさ、いろいろ…」


いろいろ…

それは先生のこと。

あえて言わない…


「最近はどう?大丈夫?」

「うん、おかげさまで」

「そっか…またなんかあったら言えよ」


そう言って、結平はあたしを優しくなでる。

あたしは乱れた髪を直しながら、おいしそうに食べる結平をそっと見つめた。