「これ…」


バイトの帰り際、結平にある物を手渡した。


「何!?くれるの!?」


そう言って、まるで子供のようにはしゃぐ。

あたしはドキドキしながら、結平が開けるのを見つめた。


「ちーちゃん、これ…」

「ま…前好きだって言ってたでしょ!」

「……」

「嫌なら食べなくて…」


結平は箱に入っていた一つを取り出し、にっこり笑ってこう言う。


「ありがと」


その手には小さなウサギ型のリンゴが掴まれていた。