ド ロ ボ ウ ネ コ (改)

空が黒色に染まる頃、玄関のドアを開けた。


「…ただいま」


いつもと変わらず返事はなく、代わりに聞こえる喘ぎ声。


「……」


あたしは何も言わず、自分の部屋に入った。

壁が薄いせいか、それでも声は聞こえてくる。

お母さんのいやらしい声。

今日の相手もきっと違う男だろう。

子供のときからそうだったからなんとなく分かる。

子供のころ…

嫌な思い出がよみがえる。